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10  最近の地下鉄

30年前に比べ,新しい地下鉄が随分と増えている.新しい首都空港と 都心部東北部を結ぶ机场(機場)線もその1つである.新しいだけに車内には 液晶ディスプレーもあるが,奇妙なことに,通常ならやっていそうな表示案内 はなく,広告やなにやら党のお告げのようなのを流しっぱなしにしている.

空港駅も写真のように近代的様相であるが, 次の電車が何時に来るかなどの実用性のある電光掲示板などは 不思議と見当たらない.天井は曇りガラスのような 外観でまさに温室のようである. 実際夏場はクーラーの効いた電車から降りると その温室効果にびっくりする.

さすがに,飛行場では地下鉄に移動するためのエレベータやエスカレータは 揃っていたが,都心部に入り,乗り換えで移動するとなると, エスカレータ/エレベータの設置がないところがほとんどで,20kgもの荷物を持っての 移動は困難で,タクシー利用しか手がない.

北京はすべて地下鉄で地上を走る路線はない(日本の地下鉄と同じく 一部区間を地上に出るものはある).その昔,1号線を作った時に よくぞ地下鉄にしたものだと感心する.北京中を たくさんの路線が地上を走っていたら、渋滞などでえらいことに なっていただろう.もっとも1号線をどこに作るかでは,一番利用者の多そうな 天安門を東西に横切る路線が想定されただろう.まさか 天安門上に電車を走らす訳にもいかず,地下鉄は必然だったのかも.

10.1  国貿(ゴウマオ)

日本に帰る日が近づいてきた.荷物は再度の渡航に備えて置いて行くので 少ない.タクシーは安いし,荷物運びの手間もないので楽であるが 唯一の問題は渋滞である.出発の時はそれに巻き込まれると恐ろしい. 今回は朝の便にしたので,余計渋滞が心配である.荷物は少ないので エスカレータがなくてもどうにかなるので,地下鉄で行く ことにした.

荷が軽いといっても乗り換えに便利な方が良い. 1号線建国門->2号線東直門->机场線 の経路はそう便利がいいとは言えない.もう一つの経路はすこし 遠周りかもしれないが, 1号線国貿->10号線三元橋->机场線 というものがある.国貿駅は天安門,王府井,東単,建国門をすぎた 北京東部にあるが, 周辺は高層ビルの立ち並ぶ商業金融地区*.

(*)動画中の最後に現れる変な形のビルは「中央電視台」 のものだそうな. IBMの変ビルといい, やたらと変ビルを建てることが一時期流行り, 近頃では変ビル建設は禁止になったとか.

もしかしたら,乗り換えの便もいいかも? また,その景色も 近代北京の見もの,ガイドブック(地球の歩き方)によると駅周辺 にはセブンイレブン(711便利店と言うらしい)が4箇所ほどあるので,もしかしたら日本と 同じくfreeのnet接続ができるかもしれない,そうすれば lineでタイのチビどもに北京のライブ映像を見せてやれる,... などで実地調査に行ってみることにした.

行って見ると,地下鉄の出口から10号線へはエレベータ/エスカレータ があるでもなく, 相当の距離歩かなくてはならない.これは建国門経由の方が 楽だと判断.ただ,プラットホームから改札口を出て10号線への乗り換えは 不便であるが,地上に至る経路ではエスカレータが利用できる所があった.

地上との出入口のあたりには,他の駅でもそうだが,何人かの 監視員みたいのがたむろしている.警官ではなく,所属は 地下鉄駅員なのだろう. 通常何もやることないから 雑談などして暇つぶしをしているようである.

出口から外を見上げると,高層ビルが林立し,話の通りの様相を呈している. まずはそのあたりの景色をiPadで360度撮る.(動画の最初の方の地下鉄出口 右手に青色の上着の監視員が見える).

地下鉄国貿駅出口からグルリ360度 変ビルの一角も最後のほうに少し見える.このときはまだ,変ビルに ついて知らなかった.

WiFiのリストを見てみると,さすがに沢山表示が出てくる.日本ではめったに ないが,イタリアあたりだと公園などではサービスのフリーWiFiに ごく普通に繋がるから, もしかしたらと,探して見る.電波強度の強そうなのが1つ あったので,繋いでみるとうまく行った.さらにVPN接続もやるとそれもOK. それでは,というので,タイに在住の孫たちに見せるべくLINEを起動. これも割合スムースに行った.10mほど離れた監視員にはおかまいなく, まわりの景色などを見せて,しゃべっていた. しばらくすると,監視員が一人近づいて来た. ヤバい.LINEを切断.

カメラモードのムービーであたりの景色を撮影してい るように見せかける.監視員が近くまで来て,なにやら喚く.勿論何を 言っているのかは解らないが, 「何をやっいるんだ」 とか言っている のだろう.iPadの画面を見せて,周りの景色を撮っているんだ,という 身振りをする.「それならいいだろう」とはいかず,相変わらず喚く. 無駄な抵抗はしない方が得策.分かった,というような素振りを見せて 退散.

2011年のICRCのときも,どこかの地下鉄駅で例のX線での荷物検査 の場面をカメラで撮影したら,係員のオバさんが飛んで来て, 「消せ〜」 (だと思うが)と叫んで,えらいことになった.カメラのシャッター音を オフにしてなかったのが敗因.

こんな公共の場所で,だれでも見られる光景を撮影したら 怒られるというのが理解できない.やることない監視員(国貿には 女性2人,男性4人もがたむろしていた)や,単純作業に 飽きた作業員が,普通と異なる“異常”を発見すると喜び勇んで 飛んでくるのだろうか.
   “711便利店”は結局1店しか見当たらず,店の感じは日本と同じようだったが, ネット接続サービスなどはやっていなかった.

10.2  地下鉄1号線の混み具合の不思議

実際に日本に帰った日は玉泉路駅を朝6時半ころの 電車に乗った.この駅は始発駅の苹果園(リンゴ園) から3駅くらい,早朝なので,空いていると思ったが, すでに椅子席はすべて埋まり,立っている人もかなりいる. 車内を歩いて通り抜けるのはちょっと憚る程度の 混み具合だ.これでは都心部に近くなると押し合い圧し合い の満員状態になるのではと心配になる.

その後,駅につたびに,各扉とも数人規模で乗り降りが あるが,大きくは増えない.主要な乗り換え線のある 復興門駅などに着いても,ほとんど様子は変わらない. 天安門を過ぎても同じ.結局2号線に乗り換える建国門 までほとんど状況は変わらなかった.

2号線に乗り換えたのは7時過ぎだから,そろそろ朝の ラッシュかと思ったが,こちらは1号線よりかなり空いて いて,すんなり座れた.

その後も1号線は何回か乗ったが,玉泉路ですでに 椅子席は満席だが,その後は格別混雑はしない ようで,なにか不思議な感じの路線である.


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