ここ数年,羊八井に行けたASgの日本人はいない.
ASgに限らずあらゆる学術目的の外国人のチベット
入境は禁止されているとのことである.観光目的なら
なにもなしで自由に行き来できるそうであるが(*).
(*といっても観光ガイドを雇う必要があり,実質 監視つきらしい.その観光も日本でならたちまち予約できる そうだが,中国内では面倒とのこと: 大西さん情報. その後,大西さんは7月はじめに実際 羊八井に行って来た.ガイドが許可証のようなものを 取り上げてしまうので,ガイドなしでは一人歩き できない.許可証のチェックは街中で結構行われている. ハットに行って作業できたのは5時間.これもその日の 日程はガイドの言うとおりにしないといけないので 勝手に延ばすわけにはいかない. 神業で作業をこなした のはさすが大西さん.)
別項の殷君(15節)と話した時,1989年という天安門事件と チベット動乱のあった年でさえ我々はチベットに行けた. しかし,今は行けない,と言ったら,「そうなんですかー!」 とびっくりしていた.
これは習近平に直結するチベット担当の政府高官某 (氏名不詳なのでXとしておく) が自分なりのチベット政策を作りたいため行なっている 措置で,方針が決まるまでは続行するのではとは黄さんの 解説である.
5月に入りテレビを見ていたらチベット高原の科学とかに関連した ニュースをやっていた.そこでは数回に渡り, 科学院院長 白春礼,チベット高原研究所所長 姚檀棟そして政府筋の高官 が登場し,なにやらしゃべり,字幕には「中欧日」の間で合意に 達したという感じの文言がみられた.(合意に達したというのは 読み間違えかもしれない.「中欧日」の間で...は間違いないが, 欧と日の人間は登場せす名前もで出てなかった).
中国科学界代表が白,地元科学界代表が姚,政府チベット筋が たぶん,前述のXではないかと思う.名前を書き留めることが できなかった. ニュース中,阿里(アリ)という文言や発音には気がつかなかったが おそらくそのあたりが中心の話ではなかったか... チベット高原での科学の進展ということでの合意であればチベット 入境の問題もなくなるのではと期待される.
www.baidu.comでこのあたりの最近のニュースを探ったが 4月28日のものが最後で,5月のものはなかった.阿里での重力波 検出計画の話は載っていた.
科学院の招聘研究員になると,博士認定書のような 立派な証書を渡される.中にはローマ字でBaiというサインが してあるが,見たときは「白」という字は思い浮かばなかった. なにか中国人らしからぬ名前に見えただけだったが,ここで 「白」という科学院院長の名前を目にして,ああそうだったのかと 納得した次第である.
羊八井はともかく,阿里となるとさっぱり,那曲は羊八井から
そう遠くはないと聞いているが,...
まずは阿里はどの辺にアリ?
上記の.kmzファイルWhereIsAri.kmzはここ.
阿里は中国科学界をあげて,高山での科学研究展開拠点として考えている ところらしい.といっても数10kmとかの距離を離れたいくつかの場所 が目的ごとに考えられているらしい.陳さんは那曲は一応今の建設は 続けるが,できたら阿里に拠点を移すのが有利と考えているようで, 最近現地を視察に行った.阿里市街から東南方向に50,60kmの湖のそばに 格好の場所をみつけたそうである. 5800mの高地で10TeV領域の電子の 研究とか,10GeV-TeVでのγ線などにも手が出せる. 科研費も那曲よりも遥かに通りやすいハズとのことである. 那曲では水の取得に苦労するが そこでは水の心配はない(5500m地点から引き上げる必要はあるらしい).
5800 mの高地では高山病が心配であるが,
居住施設は気密高圧化し,3300 m相当にするとか.
(最高速エレベータは分速1.2km程度,秒速10m強らしい.
これはせいぜい600m程度の高度差を上下するものだが,
もし,これに相当する気圧変化(dp/dt)に耐えられるとすると,
2,3分以内で施設に出入りができることになる.普通の高層ビル
では秒速3∼4mくらいでの上昇速度だろうか.それでも
耳がツーンとする.だとすれば2500m相当の変化に対応するには10分以上,
安全を重視するなら20分とかかかりそうだが,まあ10分が我慢の限界だろうか.
).
(*)試しに今回の動画はご法度のYouTubeにも上げてみた.Annyconnectで
繋いで,
問題なくuploadできた様子なのだが,YouTubeに入って,探しても
見当たらない.なにか,まずっているのか,祟りか(8.4).
「アリは何処にアリ? 宇宙線,高山,チベット kasahara」あたりを
キーにして探しても出てこないなら...?
片寄さんの書き物を見ていたら那曲の読みとして ナクチュが当ててあった.黄さんあたりの発音を聞いていると ナチュに聞こえる.そこで聞いてみると,NaQuと綴るので,カナ 表記ならナチュでいいです,とのことであった.しかし, 百度などの地図をみていると,那曲に当てたローマ字として NagQuと書いてあるのに出会った.日本語でWikipediaを 当たって見ると,
ナクチュ地区(ナクチュちく)は中華人民共和国チベット自治区を構成す
る地区(サクル) のひとつ。自治区の北部東経84度55分~95度5分、北緯29
度55分~36度30分の間に位置する。「ナク(nag)」は「黒い」という意味の形
容詞、「チュ(chu)」は「河」を意味し、 その名の通り黒い川を意味するナ
ク川(中国語名:那曲 ...)
このgがどうも曲者らしい.
ナチュのナとチュの間に言うに言われぬ音が入り込んでいる
可能性がある.おそらく元はチベット語だろうから,ナチュと
ナクチュの中間のような音で,現地の人にはこのどちらも「違うよ」
となるのだろう.
阿里になるとさらに複雑怪奇で,NgAriとなっている. しかもピンインではrではなくālǐ. 日本語ではガリらしい.
普通にアリと発音してはダメで,おそらく前に聞こえるか 聞こえないかの微妙な音が入っているのだろうが,ASgの 中国人はみなアリと聞こえる発音をしている.