黄研に出入りする学生さんなどは,所属が黄研の4名と
天文台の陈(陳)さんの所のPhDの2名で,以下のような人々である.
(コロキュウムなどには勿論陈さんも来る).
(かわいい3歳女児の母親でもる).
子育てと助手としての雑用(小生も面倒みてもらっている)
をこなしながらなので,大変だろう.
相互作用関係と1次宇宙線の組成を主題に論文を書いている.学生は年に2回評価を受け,成績が悪いのが2回続くと即退学処分になる とかで,常に緊張しているようである. 部屋にいても雑談などすることは ほとんどなく,物静かに勉学に励んでいる. 部屋に来る時帰る時,まったくスーッと登退場するので, 気づかないことが多い.
M1になると,最初の1年は離れた場所に缶詰にされ(通称, 綺麗な刑務所), 色々な基礎を叩き込まれるそうである. 場所は北京 中心部から北東方向に バス,電車などで 3時間ほどかかるところで, 先般中国主導で一帯一路の謳い文句で行われたサミット(高峰) 会議の場所の近くだそうだ. 外にでるには指導教員の 許可証が必要とか.
場所は,林さんが詳しく教えてくた.
北京の北東70kmほどの風光明媚な雁栖(Yanqi)湖畔.
.kmzファイル BeutifulPrison.kmz はここ
学生に対する評定だけでなく,研究者に対するそれもわが国とは 大いに異なる厳しいもので,アメリカなどよりすごそうである. 研究者も最低評価が2回つづくと首. まあ,クビになったと言う人の話は 聞いてなので,実態ははっきりしないが.その一方,勤務時間などには まったく制約はなく,研究所に来ようが来まいが,まったく自由. 隣の研究室のご婦人も,毎日精勤ではなさそうである*.
院生の生活費,自分の生活費 (基本給のようなもは知れた額だそうだ) なども すべて科研費から捻出しなけばならない.今年度,黄さんは260万元 (5000万円弱) の羊八井でのASg実験のための科研費をとったそうであるが, これはそうした費用も含んだもので,那曲(NaQu)での実験に回す などはできず,また余裕もないそうである.今回の予算の特徴は, はじめて国レベルで日中間の共同研究としての認定を受けた ところにあるとか.昔は共同研究の会議で,昆明とかでも 会議を開けたが,最近はそうしたところで会議を 行おうとすると,遊び半分の会議と疑われ, 国の許可を得るのが困難とのこと.
ちなみに院生への支給額は月3800元(約7円万弱) だそうで,物価は日本に比べれば格段に安いから,生活には困らない らしい.
そうした環境であるから,中国の学生は一般に おのずとすぐに答えの出る安全パイ的な課題を選び 大問題には手を出さなくなる. これが問題と黄さんは嘆いている.研究者でも 同じだ.そうした環境では, 湯川のような人物はでないだろうなと,コメント しておいた.研究には自由がないとダメですよ. とはアインシュタインの晩年 (1950)の言葉: Everything that is really great and inspiring is created by the individual who can labor in freedom.
黄さんはマスターだけで出て行ってしまう学生は,ようやく使い物になる
段階でいなくなるので,ドクターコースまで行くことを約束する学生しか
採用しないとのことである.
(*) 実際,6月29日(木曜日)のこと: 普通ならコロキュウム,打ち合わせの
日だが,この二日間,
研究者に対する査定が行われるとのことで,
中止になった.年2回あるそうだ.
黄さんも今日明日と査定を受けたり,
査定をやったりと,大変らしい.一人10分かけた面接を
やる.5段階評価で,A,Bは問題無し.Aはほとんどいないそうだ.
C以下になると大変.給料は1/3になる.海外出張などなら,
skypeを利用して受ける.Zhang Yさんも助手だから,明日は
査定を受ける.審査は10人超でやるが,採点のバラツキは
少なく,透明性を確保するため,その場ですぐに
明らかにされる,とのことである.
北京の集中をさけるためか,副都心構想というのがあるらしい.また,それに 関連してかどうかはわからないが,研究学園都市のような構想もあるらしい. それが実現する段階では高能研もそこに移動するだろう,とのこと.ただし 新ビルを作っている最中だから,そうした構想がここ5年とかで実現する とは思えない.