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5  ASgの学生

黄研に出入りする学生さんなどは,所属が黄研の4名と 天文台の陈(陳)さんの所のPhDの2名で,以下のような人々である. (コロキュウムなどには勿論陈さんも来る).

張 穎(Zhang Yuing) さん:
助手を努めながらD論の完成を目指す (かわいい3歳女児の母親でもる). 子育てと助手としての雑用(小生も面倒みてもらっている) をこなしながらなので,大変だろう. 相互作用関係と1次宇宙線の組成を主題に論文を書いている.
陳 旭 (Chen Xu) さん:
D3.阿里でのAS実験による色々な可能性 のM.Cによる検討: 10TeV領域の1ry電子観測,ガンマ線バースト の10GeV-TeVでの検出法,同じくdiffuse ガンマの検出法, 電子との区別は銀河中心と中心から離れた方向との差から統計 的に出す.
林 鈺晖 (Lin Yuhui) さん:
D1. 高山には一番強うそうな風貌であるが, 羊八井に行った時, 鼻水(血?)を出すなど大変なことになったそ うで,以来,羊八井,那曲には連れて行ってもらえない?とか. 異方性に取り組んでいる.欠損期間が長い場合の補正をどうする か...
方 建华 (Fang Jianhua) さん:
9月からM1になり,黄研に入ることが 決まっている.つまり,下記のように「綺麗な刑務所」で1年間修行する.
金 洪波 Jin Hongbo さん:
高能研にいたときは理論にいた.現在天文台 の陳さんのところで主に理論的な側面から実験計画,結果などの検討 をしている.
翟 留名 Zhai Liuming さん:
黄研出身で現在天文台の陳さんのところに いる.那曲,阿里の計画の推進.AIを用いたガンマ,電子選別.

顔写真はここ

学生は年に2回評価を受け,成績が悪いのが2回続くと即退学処分になる とかで,常に緊張しているようである. 部屋にいても雑談などすることは ほとんどなく,物静かに勉学に励んでいる. 部屋に来る時帰る時,まったくスーッと登退場するので, 気づかないことが多い.

5.1  M1はまず刑務所暮らし

M1になると,最初の1年は離れた場所に缶詰にされ(通称, 綺麗な刑務所), 色々な基礎を叩き込まれるそうである. 場所は北京 中心部から北東方向に バス,電車などで 3時間ほどかかるところで, 先般中国主導で一帯一路の謳い文句で行われたサミット(高峰) 会議の場所の近くだそうだ. 外にでるには指導教員の 許可証が必要とか.

場所は,林さんが詳しく教えてくた. 北京の北東70kmほどの風光明媚な雁栖(Yanqi)湖畔.
.kmzファイル BeutifulPrison.kmz はここ

5.2  先生も大変

学生に対する評定だけでなく,研究者に対するそれもわが国とは 大いに異なる厳しいもので,アメリカなどよりすごそうである. 研究者も最低評価が2回つづくと首. まあ,クビになったと言う人の話は 聞いてなので,実態ははっきりしないが.その一方,勤務時間などには まったく制約はなく,研究所に来ようが来まいが,まったく自由. 隣の研究室のご婦人も,毎日精勤ではなさそうである*.

院生の生活費,自分の生活費 (基本給のようなもは知れた額だそうだ) なども すべて科研費から捻出しなけばならない.今年度,黄さんは260万元 (5000万円弱) の羊八井でのASg実験のための科研費をとったそうであるが, これはそうした費用も含んだもので,那曲(NaQu)での実験に回す などはできず,また余裕もないそうである.今回の予算の特徴は, はじめて国レベルで日中間の共同研究としての認定を受けた ところにあるとか.昔は共同研究の会議で,昆明とかでも 会議を開けたが,最近はそうしたところで会議を 行おうとすると,遊び半分の会議と疑われ, 国の許可を得るのが困難とのこと.

ちなみに院生への支給額は月3800元(約7円万弱) だそうで,物価は日本に比べれば格段に安いから,生活には困らない らしい.

そうした環境であるから,中国の学生は一般に おのずとすぐに答えの出る安全パイ的な課題を選び 大問題には手を出さなくなる. これが問題と黄さんは嘆いている.研究者でも 同じだ.そうした環境では, 湯川のような人物はでないだろうなと,コメント しておいた.研究には自由がないとダメですよ. とはアインシュタインの晩年 (1950)の言葉: Everything that is really great and inspiring is created by the individual who can labor in freedom.

黄さんはマスターだけで出て行ってしまう学生は,ようやく使い物になる 段階でいなくなるので,ドクターコースまで行くことを約束する学生しか 採用しないとのことである.
(*) 実際,6月29日(木曜日)のこと: 普通ならコロキュウム,打ち合わせの 日だが,この二日間, 研究者に対する査定が行われるとのことで, 中止になった.年2回あるそうだ. 黄さんも今日明日と査定を受けたり, 査定をやったりと,大変らしい.一人10分かけた面接を やる.5段階評価で,A,Bは問題無し.Aはほとんどいないそうだ. C以下になると大変.給料は1/3になる.海外出張などなら, skypeを利用して受ける.Zhang Yさんも助手だから,明日は 査定を受ける.審査は10人超でやるが,採点のバラツキは 少なく,透明性を確保するため,その場ですぐに 明らかにされる,とのことである.

5.3  新研究拠点構想

  北京の集中をさけるためか,副都心構想というのがあるらしい.また,それに 関連してかどうかはわからないが,研究学園都市のような構想もあるらしい. それが実現する段階では高能研もそこに移動するだろう,とのこと.ただし 新ビルを作っている最中だから,そうした構想がここ5年とかで実現する とは思えない.


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