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6  pm2.5現況と予報

そのpm2.5の分布マップは日本気象協会で出しており, 天気予報のページにリンクがある. 前の天気予報の図の下段(11月6日)やこの図(11月3日)が例である. 矢印の 先端や丸印の辺りが 北京.11月6日は 赤ではないが橙と黄色の中間あたりと いった感じである.この日は多少霞がっかた空模様で, まあまあ体感とマップはあっているかなという感じだが, 非常な好天でも同じ程度の濃度分布のときがかなりあった. 11月3日は格段に良い天気だったが,さほど6日とは変わっていない. また11月8日の午前は抜けるような青空でも pmマップは真っ赤であった. このマップは21時(固定)の情報を元に3時間ごとに予報を更新 して行くようであるが,どうも実情と合わない 感じがすることが多い.

そこで, baidu.comで”北京 pm2.5”と検索掛けてみると まず目についたのが 北京のアメリカ大使館のものである. と最初は思ったが,アメリカ大使館で作っているわけではなかった.

ここでは大使館(近辺?)での測定値や北京周辺各地の情報が得られる. 予報ではなく現況という形で示されるのもよい. また pm2.5以外の情報も含め,各種の値の推移や予報も見られる. 表示言語も英語以外に日本語などが選べ(*), 対象都市も中国以外も 選べる.試しに自分の日本での住処や娘のいるタイの バンコックを選ぶとちゃんと表示された.

6.1  AQIとはなんぞや

ここに出て来る大気汚染度を示す指標として AQI(Air Quality Index)というのがある.表示されるデータを元に x=pm2.5(µg/m3)と AQI との相関を取ってみると, かなり線形性のある相関(ざっと(5/4)x+6という覚えやすいもの) が見えてくるが,ところどころ,異常な点があり, 主犯のpm2.5以外にも悪者はいそうである.

そこで wikipedia を参照すると, AQIはpm2.5, pm10, オゾ ン濃度etcに依存し,使う式は単純は線形なものであるが, step functionのような条件が入るので 一発の簡単な多変数の連続関数で表すことは できなさそうである.

AQI はアメリカが定めた指標で,それが 必ずしも世界共通の指標ではなく,各国バラバラの指標を使っている そうだ.日本はpm2.5の言葉は多く聞くが,AQI は公式には使われず, 「光化学スモッグ」注意報といったものが使われているだけだという. 中国では数年前までは独自の指標を使っていたが, 現在は AQI を使うようになっているとのことである.

ここでみた「アメリカ大使館」のページを漁っていると 中身は相当濃い.作っているのはもちろん大使館ではなく, 非営利団体組織が中心になって 各国の機関からの情報をボランティアが提供したり,webページを 作っているらしい. その中心が,
aqicn.org で本拠地を 北京に置いているとのことである.2つのweb site (http://aqicn.org/,http://waqi.info) を作っていて,そこには

World Air Quality Index project is a social enterprise project started in 2007 Its mission is to promote Air Pollution awareness and provide a unified Air Quality information for the whole world. The project is proving a transparent Air Quality information for more than 70 countries, covering more than 9000 stations in 600 major cities, via those two websites: aqicn.org and waqi.info)

といった記述がある.

aqicn.org にアクセスすると,どうも「北京アメリカ大使館」 が目につくページが出てくるようである.
(*)日本語モードにしても,日本語対応になってないページでは 「日本語に翻訳するボランティア募集」,のような 表示がある.

上記のようにAQIとpm2.5は同じものではないから, 気象協会発表のpm2.5予想分布と AQI の高低は必ずしも 一致しないが,まあ,視覚的な高低の判断の範囲なら同じように 考えていいだろう.AQI 100が一つの区切りでそれ以上では だんだんとヤバくなるということらしい.50以下なら良い環境 ということだろう.ここ北京では150を超えることが珍しくない.

北京のpm2.5が気になり出した頃は aqicn.org のことは 知らなかったから,もっぱら気象協会の pm2.5 マップを 見るなどしていた.他にはマップを出して現況や予想を 出しているところはなさそうだと思っていたが,北京で 気象協会のマップを出すのはネットが遅いからしんどい.

そうこうしているうちに,qqicn.org に出会ったわけである. ここにも AQI のマップでの現況と予想があり,なおかつ アニメーションで変化を見ることもできることがわかった. (アニメーションは「予報」のページの下の方 にある,「View the detailled forecast」をクリックすると 見ることができる).

AQI 予想のアニメーションの一例

これを見たのは北京の天気が非常に良かった時で, 実際アニメーションの最初の方では,旗の立っている 北京は AQI が濃い地域から外れている.色が紫っぽいところは もうマスクなどなしでの外出は命に関わるレベル ということだろう.

驚いたのは,空気が澄んでいそうなヒマラヤ山脈の南側 でその紫の嵐が吹き荒れていることだ.詳しく見て見ると なんと,AQI が500とか800とかの地域がある.ニューデリー の近くに多い.

aqicn.orgの ページに行くと,かなり学問的なレベルでの詳細が述べられている 場合がある.AQIの解説ももちろんあるが, 予報に使われるいいくつかの方式の解説などもある. リンクの情報も豊富である.

6.2  お偉方が集まるとPM2.5は少なくなる?

10月20日前後からは第19回党大会 とかで,全国からお偉方が天安門に集まっていたはずである. お偉方が集まると,北京の大工場は操業停止になり, pmの空が出現するのを避けるという話を聞いた. そのせいか, 娘やチビどもが来た21日からの天候は良くなかったが, pmに溢れた空とういう感じはしなかった. 24日は党大会は終わったそうで,天気は回復 気味になったが,25日は相当なpmの気配で, 26にはもうすぐそこのビルが霞むような感じになった. お偉方がいなくなって大工場が一斉に煙を吐き出したからだろうか. 娘はpm警報が出たと言って,せっかく北京見物に来たのに 外出するのをやめにした.pmマップは真っ赤.

北京秋天の言葉から10月は好天が続く思ったが,今年は真逆でかつ 後半はpmの襲来である.娘が帰った後の28日からようやく 天気も回復,pmも徐々に少なくなったようだ.北京に来襲した pmはだんだん薄くなりながら日本列島方向にすすみ, 数日すると,真っ赤なのが薄黄色などになって日本を 襲っているようである.

4月半ばに来た時には,抜けるように澄んだ青空の時でも ごついマスクをした連中をよく見かけた.その頃の pm2.5の値がどれくらいだったかは見ていないが, まあごついマスクを掛けないとまずいほどではなかったであろう.   たぶん,冬季の猛烈なpm事情の惰性で掛ける習慣が 抜けてないのだと思った.逆に秋はpm警報が出るような ときでもマスクをかけている人は極めて稀である. 慣性の法則はここにも存在するらしい.

6.3  日本気象協会よしっかりせい

ここ北京についての天気予報の当たり具合はどうみても日本気象協会のものはよくないようで AccuWeather の方が優っているようだ.また,pm2.5予想も21時のものを基 準に24時間使って予想している. その予想値はどう見ても現地の実相や aqicn.orgの値とはかけ離れていたりすることが多い. aqicnは1時間おきにデータを更新している.これは何も 人手をかけずともできる作業だろう.日本は中国ほど pmの脅威はないからと手抜きしてるのだろうか. 精度が悪くては意味がない.

ここ北京の AQI は昨晩から急激に良好に転移し11月10日の朝10時には25となっ た.日本の住処あたりの値(50-60)より良くなってしまった. かなり強い風が効いたのだろう.そのため, 真っ黄色に染まったイチョウ並木と澄み切った青空の写真を期待していた 朝であるが,イチョウの葉がほとんど飛ばされて, 期待外れになってしまった. 写真には中空にかかる半月も見える. この時でも気象協会のマップでは北京はまだ黄色の状態であった.

これは正門から一直線の高能研一のイチョウ並木である. 実は3日前の11月7日には 見事に黄色に染まったイチョウとその 落ち葉に喜ぶ幼稚園児の動画 をとっていたのだが,その時は抜けるような青空ではなかったので,またの機会を 待っていたのだが,...


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